無料で利用できるグループウェアのサイボウズLiveが、システムの老朽化等の理由で2019年4月15日で終了すると発表しました。
サイボウズLive終了で見えてくるもの
2010年10月にサービスを開始し、今年2017年8月には200万人のユーザーを抱える大規模サービスとなりましたが、7年が経過し、システムの老朽化などで、抜本的なシステム更新が必要になったようです。
システムを更新するには大きな投資が必要になりますが、無料で利用できるサービスなのでそのサービス自体からの収益はないわけで、サービス終了という判断になったようですね。
有料のサイボウズは着実にユーザーを拡大しているため、資源をそちらに集中させるのでしょう。
無料グループウェア「サイボウズLive」サービス終了のお知らせ | サイボウズ株式会社
有料サービスを知ってもらう、体験してもらうために無料のサービスを提供するというフリーミアムのビジネスモデルは、こういった判断をする時期が来るのでしょうね。
最近ではEvernoteもプラン変更を実施し、無料ユーザーができることが大きく制限されました。
「プラン改悪!」と騒がれ、他のサービスに移行するユーザーも出たようですが、サービスを提供する側としては、料金を払って使ってもらうユーザーに快適に使ってもらうことを優先するのが当然なので、仕方のないプラン変更だと思います。
無料ユーザーに資源を食い尽くされる
フリーミアムのサービスでは無料ユーザーもユーザーであり、サポートも必要ですし、ユーザーが増えればシステムの増強も必要になってきます。
しかし、そのための資金はどこから持ってくるのか?
無料で試してもらい、有料プランに移行してもらう狙いで始めても、有料に移行してくれるユーザーが少ないとビジネスとして成り立ちません。投資した資源を無料ユーザーに食い尽くされるようなことになってしまうサービスも出てきます。
サブスクリプションモデルの台頭
去年あたりから月額・年額料金で利用料金を支払って使うサブスクリプションモデルに移行するサービスが増えてきました。
スニペットツールのText ExpanderやグラフィックソフトのSketch、最近ではエディタのUlyssesもサブスクリプションに移行しています。
ユーザーからは大きな反発もありましたが、本当に使いたいユーザーは料金を支払ってでも使い続けています。
サービスを提供する・ソフトを開発する側は、定期収入を得ることができ、安定したサービス提供や開発を続けることができるので、ユーザーにとっても望ましいことですね。
取捨選択の時代
ネットは無料サービスがわんさかあって使い放題! ・・・という時代はそろそろ終わりを告げるのかもしれません。
ユーザーは本当に使いたいサービスを選んで使う、その過程で最初の1、2ヶ月無料のお試し期間は必要ですが、気に入ったモノは料金を支払って使うという、本来であれば当たり前の時代になるでしょう。
そうなると、サービスやソフトも有料のユーザーを確保しなければ成り立たなくなるので、より本気になっていいサービスやソフトを提供しなければならなくなり、結果的にユーザーのためにもなります。
・・・と、サイボウズLive終了というニュースを見て、そんなことを思ったのでした。
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@penchi
デジタルガジェットとアナログな文具を好むハイブリッドなヤツ。フリーランスのパソコン屋兼ウェブ屋。シンプルでキレイなデザインやプロダクトが好きです。
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